ワゴンRの契約を終えてほっと一息ついたのも束の間、納車を控えた日々は想像以上に多忙を極めました。契約完了後には、実務的な手続きが山積みです。銀行への入金手続き、大切な書類の提出、そして保険の選定に至るまで、納車前の準備は一筋縄ではいきません。
何度も店舗を訪れたのは、単なる書類の受け渡し以上の理由があったからです。電話とメールでの細かな打ち合わせ、来店だけでなく納車日の決定に至るまで、すべてが計画的なタイムマネジメントを要求される作業でした。
契約までの顛末は以前書いていますので、参考にしてください。
納車までのスタートライン
契約自体が完了=納車まで待つだけではありません。買いますよというお約束が契約であり、その後必要になる書類や準備がこちら側でも必要になってきます。そのスタートラインにようやく立ったことで、心境の変化と手続きの概略を簡単に説明します。
契約完了後の心理的変化
「ああ、買っちゃった」という不思議とあっけなさも感じつつ、それまでのドキドキ感がサッと引いていく落ち着き払っている自分が可笑しく感じました。あれほどの迷いや焦りが、一気に消えて冷静さを見せる瞬間です。しかし、納車まで数ヶ月という期間があるため、これからの「やるべきこと」への意識が急に高まります。うわ、忙しくなるなと。
必要書類と手続きの概観
今までの経過も踏まえて見ていきます。オプションや保険などによって必要でないものも出てくる部分です。
・車種、グレード、オプションを決定
・申込金(一時金)支払いによる契約成立
・軽自動車は印鑑証明不要
・住民票(個人番号記載のないもの)
・認印
・車庫証明使用承諾書(自治体により、なおかつケースによる)
・車両代一部支払い
・メーカーや装備による安全装置系の告知義務などがある
・保険相談
・車両代残金振込
・納車日の決定
・車の受け取り
・保険加入手続きと支払い
大まかですがこんな流れになりました。電話とメールである程度やり取りは可能でしたが、店舗に行って実際にやり取りする必要性も出てくることから、予定の調整が必要になります。
決めてから実は面倒なんですよね。
書類は命、提出は計画的に
販売店担当セールスに求められた書類を準備し、期日までに提出しましょう。何が必要か、期限はいつまでか教えてくれるので早めの準備がポイントです。
今回必要となった書類
用意した書類は住民票と車庫使用承諾書の2通です。地方自治体によって車庫証明が必要にならない場合がありますが、比較的人口の多い都市部などでは必要になるのが一般的です。
・住民票
指定されたのは個人番号が記載されていないもので、個人だけのものでOK
・車庫証明使用承諾書
自宅敷地内の駐車場の場合は必要ありませんが、賃貸の場合には大家さんの許可が必要になります。不動産会社や大家さんにお願いしてサインと捺印を頂く必要があります。
私のケースですが、8月頭に買いに行き仮契約、中旬に本契約(ディーラー側の提案でその方がオプション割引が適用できるから)、その後納車は11月と3ヶ月程度期間がありました。直ぐに車が来るような場面では何回も行く必要はないと思います。
必要な書類がわかった時点で可能な限り早めに行動するほうがいいでしょう。車庫使用承諾書は連絡すれば郵送で対応してくれるところがほとんどなので問題はありませんが、住民票は個人的に大変でした。
コンビニ交付ができる自治体が増える中、私の居住地は大都市にも関わらず非対応。休みがなかなか取れない平日に行かなくてはなりません。なおかつ、猛烈な混雑で待ち時間が1時間半かかったことも過去にあります。トラウマに近いですねこれは。ですから、可能な限り早めに行動することをおすすめします。
提出は営業時間内でこちらが動ける時間。休みが週1日なので移動を含めて半日潰れる可能性もあり、仕事の合間や移動経路場などのタイミングを見計らっていきました。
店舗訪問:提出や装備告知義務の説明、保険提案など
実際に車の受け取りまでに店舗を訪れた回数は3回です。3ヶ月間に3回というと大したことはありませんが、各項目には期限があるため実は日程調整が厳しい状況でした。たとえば、住民票はこの日までに、この書類はいつまでに、といったように。
私は仕事で移動がある場合があるため、その経路上でタイミングが合ったため住民票を提出に立ち寄りました。電話では担当セールス不在時や接客時にロスがあるため、メールアドレスを頂いて以後の連絡は基本的にメールを使用しています。この連絡部分に関しては提案したい部分もあるため別にの機会に書きたいと思います。
装備品の告知義務があったみたいで
車両購入時、販売店側には告知義務があり、購入者側ではこれを必須確認事項として扱う必要があります。特に安全装備に関わる部分は、メーカー側の実質的免責事項として確認が求められます。この確認は単なる一読ではなく、内容を理解し署名することが必要です。
ワゴンR HYBRID FX-Sでは以下の確認が必要な安全装備が搭載されています。
・DCBS(デュアルカメラブレーキサポート)
・後退時ブレーキサポート
・誤発進抑制機能
・後方誤発進抑制機能
・車線逸脱抑制機能
・車線維持支援機能
・ACC(アダプティブクルーズコントロール)
住民票を提出した際、担当セールスが不在でしたので、その時はメールアドレスの交換のみ行いました。その後、安全装備の確認が漏れていたとの連絡を受け、再度来店することになりました。これは運が良ければ1回の訪問で完了できたはずの内容でしたので、タイミングが合えばよかったので惜しかったですね。
再訪問時には、安全機能の詳細な説明を受けました。これには各機能の働き方や、作動しない条件、作動する条件に関する情報が含まれており、冊子を参照しながら丁寧に説明してもらいました。その後、これらの情報を全て理解したことを示す署名を行いました。この手続きは、安全機能に過度に依存せず、万一の事態が発生した場合にはユーザー自身の責任となることを認識するためのものです。まるで保険の約款を理解するように、重要なポイントとして受け止める必要があります。
この日の来店時以降、残金支払可能とのことで振込依頼書を頂きました。振込手数料に関してはスズキディーラー側が負担するとのことでした。そういうのもサービスの一貫でしょうか、驚きですね。
この際に、今後の流れや自動車保険についても簡単に説明を受けました。
任意保険の等級引き継ぎとプランの見直し
当初、インターネットで加入している保険の継続を考えていましたが、新車ということで充実した保障を求めると、当然ですが保険料は高額になることが分かりました。新車に対する保険料が7S等級から始まり、13年経過した古いミニバンよりも、新しい軽自動車の方が保険料が高くなる状況でした。
この点を踏まえて担当者に保険について相談すると、保険の代理店であるため他社への切り替えは必要ですが、保険の等級を移行することが可能だと教えていただきました。これに関しては、後日メールで詳細を受け取りました。ただし、保険の具体的な見積もりは対面での説明が望ましいとということと、私も詳細を理解したいと考えていたので、改めて来店することにしました。
来店時に保険説明をちゃんと受けました
来店時に届いた車庫証明使用承諾書を提出し、依頼していた複数の保険プランの見積もりが提示され説明を受けました。オンライン保険よりも金額は高くなりましたが、一括管理と保証内容の見直しを考慮し、私にとって手間が少なくなるプランを選択しました。納得の上で保険変更を依頼し、新車に適した保険プランを確定しました。
好印象だったのは担当者が「ウチで入らなくても大丈夫です、見積もりの提示と参考にしてくださるだけでもいいです。」と無理に薦めてこなかった点です。押せ押せなタイプは好まないのでこれも良かったですね。
それでは、ここで軽く保険の等級移動に関して触れておきましょう。
「新車購入時の保険変更」と「保険等級の移動」
新車を購入する際、本来は新規で保険に加入し、基本的に最低の等級(日本の場合、7S等級など)からスタートする必要があります。しかし、既に保有している車の保険を新車に移し、古い車に新たな保険を加入する方法があり、これは「保険の振り替え」とも呼ばれます。
保険会社によって違う場合がありますので、契約されている保険会社に確認してみてください。
保険会社が異なる場合でも、以下の条件下で保険の振り替えが可能です:
- 既存の保険契約があること:新車に保険を振り替えるには、既に保有している車の保険契約が必要です。これは、その保険の等級を新車に適用するためです。
- 保険会社の承認:異なる保険会社間で等級を移動するには、両方の保険会社の承認が必要です。保険会社によっては、このプロセスを容易にするための特定の条件や手続きがある場合があります。
- 等級の維持:新車に移す等級は、通常は既存の車の等級がそのまま適用されます。これにより、保険料の割引を新車にも適用できます。
- 保険の種類:すべての種類の保険でこの方法が利用できるわけではありません。たとえば、特定の車種や用途に限定された保険では、このような等級の移動が許可されない場合があります。
- 契約の更新時期:保険の振り替えは通常、保険契約の更新時期に合わせて行われます。ただし、保険会社によっては、契約期間中でも変更が可能な場合があります。
これらの条件は一般的なガイドラインであり、具体的な手続きや条件は保険会社によって異なる場合があります。したがって、保険の振り替えを検討している場合は、現在の保険会社と新しい保険会社の両方に相談することをお勧めします。
実際の保険契約移行手続きは車の受け取り時に行いましたが、大まかには以下になります。
保険の振り替えする場合の注意点
・納車日付で自動車保険の解約手続きを保険契約者本人が行うこと
・必要な情報は移行元の証券番号
・中断ではなく解約
・土日祝日はできない保険会社もある
・遡っての解約は受け付けてもらえないこと
プランにも納得してあとは納車までは待機するだけになりました。私からのお願い(リアワイパーモーターカバーを取り外した状態で納車してほしい)を伝えあとは楽しみに待つだけです。
お願いは、ドライブレコーダーを自分でつけるためで、リアワイパーモーターカバーが固くピンが折れやすいことを事前に知っていたためです。その際の工賃と破損したピンの代金は車両受け取り時に請求してくださいと予め伝えてあります。
車両代残金を振り込む
記事の目次上納車直前みたいになっていますが、確認が必要な安全装備品に関しての署名で来店した直後に支払いしています。支払い方法はいくつかあり、現金支払いの場合は振込を推奨していました。
・カード支払も可能
一日あたりの支払上限があるので複数日にかかるが、カード会社のポイントが付く
・銀行店舗から振込
・ネット振込
私の場合は帰宅後の夜寝る前に、ネットで振込をしました。口座→口座でスマホから簡単に可能です。銀行のアプリで振込可能な状態にしておくには事前に申請や準備が必要なので、ネット送金する人は予め準備が必要にはなります。
ものの数分で何百万円を送金できるので、ちょっぴり怖いですね。時間を作って店舗に行く必要もなく、基本的には24時間振込送金が可能なので非常に便利です。そのための個人認証などの事前チェックが厳しくなっているのは頷けます。
これも簡単に三菱UFJ銀行例に出しておきましょう。
例:三菱UFJ銀行(MUFG)のアプリでネット送金
三菱UFJ銀行(MUFG)のネット送金をアプリで利用するためには、いくつかのステップを踏む必要があります。具体的な準備手順は以下の通りです:
- アプリのダウンロード:
- MUFGの公式モバイルバンキングアプリをスマートフォンにダウンロードします。
- Apple App StoreやGoogle Play Storeからダウンロードできます。
- アカウントの設定:
- アプリを開き、アカウントを作成します。
- 既にMUFGのオンラインバンキングを利用している場合は、そのアカウント情報を使用してログインします。
- 本人確認:
- 安全な取引のために、MUFGは本人確認を求めることがあります。
- 通常、名前、住所、生年月日、電話番号、メールアドレス、銀行口座情報などが必要です。
- 必要に応じて、身分証明書の写真やスキャンをアップロードすることも求められる場合があります。
- セキュリティ設定:
- パスワードやPINコードの設定を行います。
- 二段階認証や生体認証(指紋認証や顔認証など)の設定を推奨される場合があります。
- 銀行口座の連携:
- MUFGの銀行口座をアプリに登録します。
- アカウント情報と銀行口座情報を連携させる必要があります。
- 利用開始:
- 上記のステップを完了すると、アプリを通じてネット送金や他のバンキングサービスを利用できます。
これらの手順は、MUFGのポリシーやシステムのアップデートによって変更される可能性があるため、最新の情報はMUFGの公式ウェブサイトやアプリ内の案内を確認してください。また、セキュリティや個人情報の保護の観点から、正式な情報源からの指示に従うことが重要です。
使えるようになるまでは意外と面倒です。何かと便利なので、こういったサービスは事前に使えるようにしておくといいでしょう。
納車と保険手続き
都合の良い日は日曜日、朝一番が可能だったのでお願いしました。保険の手続きがあることもあって1時間半くらいはみておいてくださいと言われました。そんなに?と思いましたが、結果2時間はかかってしまいました。ちょっとびっくり。主に保険手続きと設定やその他登録など色々あったので時間が取られました。余裕を持って行くことをおすすめします。
車両の引き取りに販売店へ
待ちに待った?というとそうでもなかったので、3ヶ月があっという間に感じるほどでした。納車日が決定してからはドライブレコーダーなどを注文したくらいです。私はこだわらないのですが、いい天気で気持ちがよかったですね。
車両を再度確認です。申込み通りのオプションが装着されているか、色は正しいかなどチェックが必要になります。そして傷などがないか見てくださいと確認をします。そのあとで、車両本体の説明。主に使い方でしょうか。安全装置について、ディスプレイオーディオについて、Android Autoについて、カメラや運転機能についてです。車に関しては大体こんなもので、これで終了かと思いきや、続いてスズキコネクトについての説明もありました。
そう、たくさんあるんですよね。
SUZUKI connect (スズキコネクト)の設定
最近増えてきているコネクティビティの一つです。スズキコネクトは新車時にオプションで指定された装備をつけた場合に初回車検時までの3年間の使用権が付与されるサービスです。以降は月額課金のサブスクリプションになります。
そんなスズキコネクトっていったい何ができるのでしょうか。
スズキコネクトでできること
・もしものときに緊急通報
・24時間365日、操作方法など含めオペレーターが対応
・保険外車や販社への連絡も一括サポート
・アプリによるリモート操作
・アラートや駐車位置、共有など
・運転情報をチェック
利用開始には販売会社での利用手続きが必要になります。事前準備としてアプリを前もってダウンロードしておくといいでしょう。実際に使えるようになるまでを流れとして以下に書きます。
- スズキコネクト アプリをインストールしておく
- 納車時に渡される「スズキコネクト登録シート」からQRコードで会員ページへ
- メールアドレス認証
- サービス規約同意
- お客様情報入力(パスワード設定があります)
- SMS認証
- 車両情報登録
- 契約者情報登録
- 登録完了後に車のエンジンを始動する
- スズキコネクトアプリを起動し、アプリンログインする
- PINコード設定、生体認証も追加可能
- SOSボタンのインジケーターを確認で完了
納車時に渡されるスズキコネクト登録シートから新規会員登録を行います。メールアドレス認証、サービス規約同意、個人情報登録、車情報登録、契約情報を確認し設定を行っていきます。担当の方がついてくれるので慣れている方なら特に聞かないくても設定可能です。一方でスマホの設定など普段からネットワークサービスに慣れていない方はかなり厳しいかもしれません。
機能に関しての詳しい内容や使い勝手は、レビューするつもりなので機会があればまた見に来てください。
任意保険手続き
車の保険を一本化するため、前回の話で触れたプランを確認しながら、オンラインでの手続きを進めます。私自身が直接確認ボタンを押しながら、金額や保証内容に誤りがないか注意深くチェックしました。
ただ、プランには小さな間違いがあり、グレード名や駆動方式が正しくなかったため、修正するたびに最初から確認作業を繰り返す必要があって少々手間でした。ちょっと時間がかかる作業でしたね。
保険の変更が完了すると、自動的に前の保険会社から新しい保険会社に情報が移行されます。その場で年間の保険料をカードで支払い、手続きは無事に終了しました。
車両受け取り
納車の際、セールス担当者だけでなく他のスタッフも軽く挨拶に来てくれました。個人的には少し過剰なサービスに感じることもありますが、そういう心遣いを嬉しく思う方もいるでしょう。実際に説明を受けてはいても、車に乗り込む瞬間はなんとも言えない緊張感がありました。ワクワクするよりも、何とか無事に家まで到着したいという感覚が強かったです。
私は仕事で家が立つほどの高級車にも乗ることが多々あるのですが、今回のワゴンRの納車はそれらとは比べ物にならないほどの緊張を感じました。私が実際に欲しかったのは、高級車ではなくこのワゴンRだったのですから、本当に不思議な感覚です。
その緊張がどれほどだったかというと、納車されたまともな車の写真を一枚も撮っていないことに、この記事を書いている今になって気付いたくらいです。びっくり。
翌日は緊急の用事で実家に日帰りなどあったのですが、そうですね、また晴れた休日にどこかに出かけてぜひとも外観写真を撮影したいものです。
まとめ:納車までの流れとデジタル時代の手続きの変化
この記事では単なるHOW TOではなく、契約後から納車に至るまでのプロセスを振り返りました。各種手続きから、ディーラーでのやり取り、保険の選択に至るまで、納車の道のりは単なる待ち時間ではなく、多くの重要なステップが含まれていることがわかります。
デジタル化の進展に伴い、車の購入における手続きも変化しています。特に、コネクトサービスや保険のマイページ設定などで、複数のログインIDやパスワードが必要になることも多く、スマートフォンを駆使した手続きが一般的になっています。これは便利さと同時に、新たな手間や注意点も伴うことからちょっと戸惑う人もいるかもしれません。
面倒な手続きは、お金を払ってプロに任せることで、手間を省きストレスを減らすことが可能です。効率的なプロセスと安心感を求めるなら、専門家のサポートを活用するのが賢明と私は感じました。
今後、私はワゴンRの様々な機能や種類に関するレビューを作成する予定です。これらのレビューを通じて、実際の使用感や便利な機能について、詳しくお伝えしていきたいと考えています。
車の購入はただの物理的なプロセスではなく、心理的な変化や新たな学びも含まれます。この経験を通じて得た知見が、これから車を購入しようと考えている方々にとって有益な情報となれば幸いです。
それではでは。
振り返ってみて見えてくることがたくさんあります。こうしておいたほうが良かったなど、3ヶ月が短く感じるほどでした。自分でやるなら時間がそれなりに取られるので、手間と予定調整時間をお金で買う方法は悪くないと思いました。